GQ10月号 Levi’s501ZXXとLW01

Beginに続きまして、GQ10月号に「10人のマイ・スタンダード」に少し書かせていただいたので、僕がなんでLevi’s 501ZXXが好きなのか。その裏話的なことを少しお話しさせていただきます。よかったらお付き合いいただけましたらと思います。Levi’sは、1873年に初めてジーンズを販売してから主にアメリカ西部を中心に顧客さんを増やしてきたことはご存知の物語かと思います。初期の頃はジーンズは労働者のワークパンツだったことも広く知れ渡っていることと思います。スウェットも1900年代前半はスポーツウェアウェアだったとも言えます。共通して言えることは、まだ洋服というか日常着にもなっていなかったのではないでしょうか。リーバイスは、東部に販路を広げるために、1954年(たぶん)アイビーリーグエリアである東海岸の上品なファッション(ブルックスブラザーズなどを好んで着ている人たち)が主流の人たちにも受け入れられる様、新仕様のジッパープライに変更し、シルエットもテーパードさせ、比較的穿きやすい仕様に考えられたのが、501ZXXだと考えます。1999年ループウィラーを立ち上げるとき、スポーツウェアとしてのスウェットではなく、日常着としてファッションの中に取り入れられるようなスウェットを作りたいと思っていました。ループウィラーが考える「ザ・スウェットシャツ」、”これぞスウェットシャツ” とはどういうものかを一から再構築し生まれたのが、ファーストモデル「LW01」です。LW01は、吊り編み機で編まれた30/6丸胴吊り裏毛を使用し、スウェットのオーセンティックな仕様である丸胴(吊り編み機で筒状に編まれた生地をそのまま使用)、両V(首元の前後に配置したガゼット)、セットインスリーブ、縫製は必要な箇所に必要なだけフラットシーマを使用し、作り方はオリジナルかつクラシックでありながら、コンテンポラリーな、今着てちょうどよいスタンダードなものに仕上げています。(とはいえ、1999年から今日まで、細かなサイジングやパターン、縫製仕様など、12回ほどアップデートしながら進化し続けているのも事実です。)リーバイス 501XX(501ZXX)のように、LW01が後世になっても、スウェットの基準(スタンダード)として広く参考にしてもらえる存在になれたらいいなと思いをこめて製作しました。そういう意味でも501ZXXが僕に与えた影響は少なくありません。スタンダード=その分野で基準になりえるもの、かつ僕の中では普遍的に価値あるものであり続けることができたらいいなと、、、、LW01には創業当時からの思いがあります。今日のお話は少し暑苦しかったかもですが、お付き合いありがとうございました。@鈴木さとし