LW TOP糸

LW TOP糸メイド・イン・ジャパンを継続することの難しさを象徴する問題が起ってきています。ループウィラ−が現在使用しているTOP糸(グレーメランジとオートミールと呼称している色目)が無くなります。ここで少しTOP糸の説明をさせてください。TOP糸はその糸の製造方法からきた名称です。ループウィラ−はもとより業界一般にTOP糸を製造する過程はといいますと「わた」の段階で色付けをして出来上がった糸のことをいいます。着色された「わた」と生成の「わた」を混ぜて紡績機の中に入れて糸をひくわけです。そうすることによって紡績の段階で着色された糸ができるわけです。このグレーの色の濃度や、混ぜ合わせる生成の分量割合で様々なトーンのTOPグレーが製造されるわけです。その糸を吊り編み機で編みたてるとLWのグレーメランジやオートミールの生地になるわけです。補足説明になりますが、LWでいうマリンやブラック等のカラー生地は生成の「わた」だけで紡績された糸を吊り編み機にかけて出来上がった生地(生機といいます)を染色します。製造の方法でこういった違いがあるわけです。現在、名古屋紡績という紡績メーカのTOPグレーとオートミールを使用しています。名古屋紡績は今年から中国の工場でこのTOP糸を紡績することになりました。同じTOP糸がこの世からなくなるわけではないですが、日本製ではなくなります。中国で紡績された糸を日本に逆輸入して吊り編み機で編むとこともできますが、ループウィラ−としてはいかがなものかと考えます。フィロソフィーに反しますし、中国で紡績された糸の精度は落ちます。また原綿のクオリティコントロールの面でも非常に不安です。従ってTOP糸のメ−カーを変更せざるをえなくなりました。新内外綿という紡績会社のTOP糸を使用することに決めました。画像はどのくらいのグレートーンが良いか決める為にグレーの濃度の違うTOP糸を組合わせて試編したものです。さてどうするかしばし思案です。同じ問題がTシャツ用の天竺の糸でも発生しています。こちらのほうが深刻でLWが使っている18番単糸の番手自体が生産中止となりました。現在ある在庫のみでの展開となります。Tシャツのほうはまだ少し生地在庫がありますので、ガーメントデザインを変えたり、サイズを調整しつつ使用していこうと思います。裏毛のほうは在庫限りとなります。現行のTOPグレーもオートミールもとても気に入っているだけに残念です。したがって丸胴べーシック製品についてはもうこの色目は2度と入手不可能となります。気に入ってくださっているお客様は早めに御購入していただけましたらと思います。何年かたつととても貴重なものになるかと。8/6日曜日にツマリ・ロードJKが入荷予定です。明日また詳しくお知らせしますね。どうぞ宜しくお願いいたします。 @鈴木さとし