LOOPWHEELER×BEAMS+のスタンダードプロダクトの第3弾はプルオーバーパーカです。素材の組織は同じ14/-×30/-CM×7/-を用いて吊り編み機で裏毛を編んだものを使っていますが、裏面を起毛しています。これはLWの国内では初めてのものとなります。ご存知のかたも多いかと思いますが、起毛には染色する前の生機の段階で起毛機にかける先起毛と染色後に起毛機にかける後起毛があります。その特性は一長一短なんです。起毛機は生地をローラーで引っぱりながら赤鬼さんがもっているようなトゲトゲのついた棍棒のようなローラーで生地表面を引っかいてゆくのですが、その時に生地がかなりの力によって引っ張られるので約10〜15%近く伸びてしまいます。生機の状態の1反の長さが20メーターだとしたら、起毛した後は21〜21.5メータくらいに生地が長くなってしまうわけです。もうお気ずきかと思いますが伸びたものは縮むのは自然の摂理ですので、お洗濯をすると7cmも8cmも縮むことになるわけです。なので後起毛をすると皆さんの手に渡ってから、家でお洗濯をするとびっくりするぐらい縮んでしまいます。先起毛であれば起毛後に染色になりますのでそこで伸びた生地が縮んでくれるわけで、生地の安定性が普通にもどるというわけです。しかしながらせっかくほんわり起毛したものが染色加工によって、そのバルキー感が失われてしまい、しなっとねてしまいます。先か後かの選択は、そこをどう考えるかが作り手側の考えの表れかと思います。LWとしては、やはり先起毛を選択します。表面感より安定性をとるということです。デザインは変型ラグランスリーブで切替が袖下まで伸びた仕様としています。ポケットは少し曲線を持たせたカンガルーポケットで、両V2枚ハギで3本針振りミシンで上からたたいています。フラットシーマーは使用せず2本針裏振りミシンを主体に縫製しています。袖口のフライスはスクエアではなくバイアスにカットしています。3デザインともにビームスプラスらしいアメリカンな王道な感じなってきたかと思います。起毛なしの2デザインより少し遅れた販売開始となるかと思います。詳しくはまた御報告できるかと思います。@鈴木さとし