久しぶりに福岡は太宰府天満宮を訪問してきました。目的は三田真一と作家達が繰り広げる壮大な物語の「呼吸」を感じてみたかったからです。時は江戸末期。日本各地から志士が訪れ、未来を見据えた熱い談義が交わされていたここ太宰府天満宮の宝庫で、何者かによって、いにしえより封印されてきた「箱」が開けられてしまう。中身は、誰が何の目的で、いつ作ったか判然としない、古い技術と新しい技術の融合物のような品々だった。様々な憶測と空想、あるいは妄想が日本中に広がった。品々を見に集まった腕に覚えのある職人たちは、そこに自分たちの技の源流を見た。あるものはそれを「宙服(ソラフク)」だと捉え、あるものは死者の魂を黄泉の国に送り届ける為のものだと言った。「宇宙、並行世界、異界の存在、精霊の抜け殻」そんな作家三田真一氏と作家達の作品をしかと僕の脳に刻んで帰ることができたかなと思っています。そして画像を通して行けなかったみなさんに少しでも何かが伝わったら嬉しく思います。参加の作家さん達を記しておきます。五十音順 青山翔太郎(NF/Hyogu)石橋素(Rhizomatiks)上出惠悟(上出長右衛門窯)上月太朗、竹森達也(Rhizomatiks)辻徹(金網つじ)中川周士(中川木工芸 比良工房)馬場匡平(マルヒロ)堀口徹(堀口切子)松林豊斎(朝日焼)村松賢一(55)八木隆裕(開化堂)柳澤知明(Rhizomatiks)山口一郎(Sakanaction/NF)ドローイング:小松義夫(自由廊)作家補佐:田崎龍星(マルヒロ)/有賀瞳、ゾーニングプランナー:細野隆仁、クリエイティブプロデューサー:中村ミサ(CAVIAR)プロデューサー:千葉秀憲(Rhizomatiks)アートディレクター:前田景、アシスタントデザイナー:河村美季、照明デザイナー:佐藤政章(B&Lighting)コーディネーター:馬場宣行(太宰府天満宮)キュレーター:アンダーソン依里(太宰府天満宮)今回のメインビジュアルにもなっている籠手のような宇宙服のグローブのような一体全体いくつの素材を組み合わせて製作しているのだろうかと想像させられる、、、、が、、もしかすると現世には存在しない複合素材なのかもしれない。職人達の協業作業中に起こる魂のやりとりなのか執念のせめぎ合いなのか、もはやアートなのかもしれない。宙舟。
どこか懐かしい感じがした、、、海底二万里に出てくる潜水服のような。ノーチラスな感じ。上出惠悟氏の祈り。。。。インスタには動画をあげましたが、センターのアルミと紙が融合したような素材の動きに呼応して青山翔太郎氏の製作した音楽が、その振動によって聴こえてきます。切子ゴーグル。同じく切子ゴーグル、、、すごいカッティング。金網つじの金網から電子が発生するのか、、、はたまた電気信号を送受信するのだろうか。。。手のひら側。宇宙人なのか地球人なのか、、、もはやそんなことどうでも良い時代が来るのかもしれない。グローブ製作過程におけるモックアップなのか、型なのか。。。。祈り。やはり、どこか懐かしい。。。子供の頃読んだ海底二万里を感じました。8/27まで開催されていますので、お近くの方は是非とも見に行っていただけたらと思います。もはや工芸の領域を超えてアートと解釈しても良いような作品が多くありました。作家 三田真一の信念が工芸作家のこころを動かし、それぞれの職人の工芸領域を超えてゆく様が見てとれます。これからの日本の工芸の一つの方向性を示すような素晴らしい展覧会だと思いました。続編というか、この先を見てみたいと思いました。。。是非ともその先を展覧してください。楽しみに待ってます。@鈴木さとし