裏カシミア吊り裏毛08バージョンの試編みです。カシミアという原料に取り組んだのは2004年の中目黒時代にさかのぼります。カシミア60%ペニーシルク15%長超綿25%の混紡糸を使用して吊り天竺を編んで、薄手のロングスリーブタイプのスウェットとジップパーカを製作したのが、はじまりでした。翌年2005年にカシミア吊り裏毛の試作にトライしたわけですが、なかなかどうしてハードルが高く、解決すべき問題が山積していましたが、なんとか製品としてリリースできるようになりました。表糸と裏糸にカシミア100%の糸を使用し中糸に超長綿糸を生地強度を出すためにつなぎ糸として組合せることで吊り裏毛の組織をつくりあげ、スェットとジップパーカを製作したのが2005年でした。この素材も今や冬の定番として毎年リリースしています。もちろん今年も製作する予定です。さらに2006年にLWらしい新しい組合せとして通称「裏カシミア」と呼んでいる、表糸と中糸にLWベーシックコットン糸を使用して裏糸のみにカシミア100%の糸を使用した吊り裏毛を作りました。この編み立てと製品の製作は、当時おそらく世界ではじめてのことだと考えています。この裏カシミアも3年目を向かえようとしています。2006年と2007年とでは糸使いを大きく変えてきましたが、画像の08’バージョンは2007バージョンと同じ仕様で編んでいます。2007バージョンの試用をした結果、よい塩梅ではないかなと思っていますので、今年も組織組成を踏襲しています。自分で言うのもナンですが、とてもループウィラーらしい素材です。表からみたら普通のコットン100%吊り裏毛に見えますが、見えない裏側はとってもステキなことになっています。日本の粋に通じるものがあると思います。カシミアが持つ、綿とはひと味違う、肌感と暖かさを感じていただけると思いますので今年はよろしかったらおひとついかがでしょうか。プロダクトはいろいろ製作しようと思っています。どうぞお楽しみしていてください。 @鈴木さとし/Satoshi Suzuki