先染め吊り裏毛ボーダーに続いては先染め吊り天竺ボーダーの試編み生地の登場です。これも裏毛同様にかなり高度なテクニックをもちいないとできないものとなります。こういったピッチを持つボーダーはノーマルの吊り編み機では編みたてることが不可能なのです。裏毛ボーダー同様に和田メリヤスさんの和田社長の技術とアイディアの賜物だと思います。今回は3色使っています。ホワイト×ブラック×グレーメランジです。それぞれ31ミリの均等ピッチのリピートをしています。何故にノーマルの吊り編み機ではこういったピッチのボーダーが編めないかといいますと、仮に1段(LWショップにある編み機がぐるりと一回転することによって編める長さ)=1ミリとします。そうすると31段編んで31ミリのホワイト部分ができあがります。次の32段目からブラックの糸を挿入していかないとカラーが変わらないですから、ここに機械的な装置を装備してホワイト糸をストップしてブラックの糸を出していく作業をしないとならないのです。現代の編み機は当然のごとくコンピュータで制御された装置が装備されていますので、物理的に可能であればどのようなピッチでも再現が可能になります。ですが、吊り編み機の時代にはそのようなものは存在するわけもなくボーダーの生地というものを編みたてることは不可能でした。そこで和田さんは知恵をしぼり自作で糸を切り替える装置を作ってしまったわけです。アイディアもさることながら、氏のこのような機械を作ってしまう器用さには脱帽です。長袖のTシャツと半袖のポケットTシャツのサンプルをこれから製作しようと思っています。 @鈴木さとし