前回3月に和歌山はカネキチ工業さんに打合せに行ってからですからおおよそ2ヶ月ぶりに行ってきました。実は、お話できずにいたこと。前回お邪魔した時に、何やら今まで見たことのない装置を岡谷くんと南方くんが一生懸命にメンテしていたのですが、いよいよ稼働開始といったところです。和田メリヤスさんでは、和田社長が吊り編み機を改造してコンピューター制御したもので、ボーダーを編むことを今でも行っているのですが、この向かって右側に見えるミドリの機械が今回の大目玉。チェーンとコマで稼働するクラッシクな切替装置のオリジンです。
3月にお邪魔した時に、倉庫の奥の奥のほうから、ホコリまるけになったこの切替装置が発見されたとのことで、一体全体、何十年眠っていたのかもわからないとのことでした。
チェーンのコマの太さや形状を見ると、どう考えても、現在こんな形状のチェーンは見かけないですし、金属で成型されたチェーンを起動するコマも、かなり手の込んだ特殊なものを使用しているなと見てとれます。そこからも、かなり古いものであると推測されるし、自分が知っている切替装置の中でもかなり初期のものであるのではないかと思います。この切替装置の役目ですが、仮にマリンxホワイトのボーダーを編むとしたら、何回転マリンを編んだら、ホワイトに移行するか、その移行する時に機械を止めるて糸をかけ直すわけにはいかないから瞬時にネイビーからホワイトの糸に切り替えないと編み続けることができません。その瞬間芸を受け持つ装置がこの機械ということなんです。
いずれにしても、かなり貴重な代物ですし、カネキチ工業さんで先染ボーダーが編めるとなっては、ループウィラーとしては黙ってるわけにはいきませんもの。ボーダーオーダーしてきました、どんなボーダーかは、また後日にでも。しかし、よくぞここまで、この装置を自分たちのコントロール下において、編み立てできるようになったなぁとちょっと感動した次第であります。マニュアルがあるわけではないですし、何の資料も残ってるわけでもありませんし、全部手作業で試行錯誤の繰り返しだった思います。岡谷くん、南方くん、お疲れさまでした。そしてありがとう。@鈴木さとし / Satoshi Suzuki