カシミア100%の新しい糸を使用した吊り裏毛の試編生地があがってきました。昨年末発売したものや、先日ビームスプラスの受注会に展示したものはカシミア100%の2/52という番手(太さ)の糸を表糸と裏糸に使用して吊り編み機で裏毛を編みたてていますが、画像の裏毛スワッチはカシミア100%の-/26という番手もものを表糸と裏糸に使用しています。繊維のことを少しかじった方はご存知かと思いますが、2/52と-/26は基本的に同じ太さの糸になります。52÷2は26ですよね。ようは双糸か単糸かの違いなんです。2/52のほうは双糸になりますから26番単糸の半分の細さの52番手の糸を2本撚糸してできているわけです。細くてしなやかですが、撚糸しているので腰感やシャリ感が少なからず風合いとして出てきます。とりわけあのチャコールTOPのカシミア吊り裏毛は独特のヌメリ感を有していることが特筆かと思います。かたや画像の-/26糸で編んだものは単糸であること、糸が太いこととあいまってふわっとした風合いになりますが、腰感やシャリ感はあまり感じられずバルキー感が強調された感触になります。どちらも一長一短の特性を持ち合せていますのでどちらが良いとは一概に結論ずけるのは難しいところです。好みの問題もありますしね。1つ言えることはこの-/26糸使用のほうが少し生地の価格が安価になるということです。安価になるといいましても、かなりお高いですが・・・。ほんの少しかもしれませんが製品価格が安くできるかも??しれませんのでこの試験反でサンプルを作成してみようと思っています。ただ2/52に比較して単糸の特性上毛羽が立ちやすいという案件があげられます。製品の着用試験をしてどうなるのか確認をしてみたいと思っています。まだ暑いですが・・・。@鈴木さとし